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コンタックスは、カールツァイス財団の一翼を担う有力カメラメーカー、ツァイスイコンが開発した代表的なブランドです。
特に、RF式のオリジナル・コンタックスは、登場した1932年以来、第2次世界大戦を挟んで約30年近くの長寿を誇ったブランドでした。そのため、常にコンタックスはライカの最大のライバルとして認知されてきた節があります。
しかし、実際はコンタックスが世間の注目を浴びていた期間はそれほど長くありませんでした。

1932年、ツァイスイコンが開発したコンタックスTは最高級カメラにのみある怪物性が見られます。その真っ黒なボディの中には、ツァイスイコンが有する全ての技術が用いられた複雑なメカニズムを隠しています。
また、複雑なメカニズムであると同時に不要なまでのハイスペックを備えています。例えば、距離計の精度を決めうる基線長は、同時期のライカUですら38mmなのに対し、コンタックスT初期のタイプでは103mm、距離計を棒状プリズムとドレーカイル式測距方式に変更した後期のものでも93mmあります。シャッターの最高速度は、同時期のライカが1/500秒であるのに対し、コンタックスTは、1/1000秒という驚きの速さを実現。
しかし、この様なライカとのスペック比較を見ると、つい「コンタックスはライカより優位に立つことを目的として作られたカメラ」と思われてしまいそうですが、実は違います。コンタックスには様々な未来への準備が施されているのです。それ故にライカと競っているように見られてしまうのです。
まず、交換レンズを脱着するレンズマウントにバヨネット・マウントを採用したことで、後年カメラに連動式電気露光計を組み込む際、レンズとボディ間の情報伝達が容易になりました。
また、コンタックスが当時、新素材であるジルミンをいち早くボディに採用したことで、十分な強度のあるボディを作り上げることができました。この様な時代のはるか先まで見通してしまった先見性こそが、コンタックスに「怪物」というイメージを与える真の原因なのです。


1936年、コンタックスIの2代目にあたるコンタックスUが出ました。
コンタックスUにおいてはI型の様な怪物性はなく、その外観は未来都市のような冴えた造形をしています。しかし、未来性を感じさせてくれるのは、その外観だけではなくメカニズムにおいても同様です。I型以来のバヨネット・マウント、一軸不回転ダイヤル、そして、最大の特徴である、一眼式距離計ファインダーなど、これらのスペックは、この後の全てのレンジファインダーカメラの規範を決定しています。
そして、基本スペックはU型と同じですが、そのわずか2年後に出たコンタックスVでは、セレン光電池による電気露光計を組み込んだことで外観が巨大になり複雑で異様な外観になってしまいました。
コンタックスVは、第2次大戦前における35mmカメラの頂点であり、ツァイスイコンの最高級カメラと呼べるにふさわしい1台です。


コンタックスUaとVaはスペック的にはUやVとあまり変わらないが、シャッタースピードに1秒と長時間露光用のTが追加されたのと、シンクロ接点が付いた点が違う。
シンクロ接点は独特のケーブル式だったのが、UaもVaも普通の電気式になったので、特殊なアクセサリーなしでストロボが使えるようになった。
内部も細かく改良されて操作感も非常に滑らかになったから、レンジファインダー式のクラシックコンタックスの中では、現在でも最高の実用性を持っている。
数あるクラシックカメラの中でも、最もプライスパフォーマンスの高い部類に属するカメラである。